電気のあれこれ

電気計装には様々な規格があったり、知っているようで知らないことがたくさんあります。
勉強しましょう。

電流と電子の流れ方向が逆である理由

電気には「静電気」と「動電気」があると、静電気について勉強しようのページで説明しました。静電気は自然界に存在しますが、流れる電気は人間が作った人工の電気です。通常「電気」と言うときにはこれを指しますが、「動電気」という言葉は現実にはありません。これは発電所で常に電気を起こしているので電流が流れ続けるのです。電流というのは電子の流れであり、電気工学においては電流は+(プラス)から-(マイナス)に流れるとされています。

このプラスとマイナスを決めたのはかのベンジャミン・フランクリン、アメリカ合衆国の独立宣言の草案作成に参画し、また大陸会議の駐フランス大使でもあって、合衆国の創立者の一人です。彼は雷の日に凧を上げて稲妻が電気であることを実証した科学者でもあり、避雷針の発明者でもあります。

フランクリンは、物質には「電気の素」が含まれていて、その過不足状態でプラスとマイナスの2種類があるとしたのです。
ガラスを摩擦することによって出来る電気と琥珀を擦ることによって出来る電気とは違う種類の電気であり、ガラス電気は電気の素が多くこれを正電気(陽電気)、琥珀電気は少ないので負電気(陰電気)と名付けました。しかし彼は「電気の素」の正体はわかりませんでした。その後電子の存在が発見されるわけですが、このフランクリンが決めた電気のプラスとマイナスからしますと、電子はマイナスからプラスの方向に移動します。
すなわち電流の流れと電子の流れの方向は逆なのです。「電気の素」は電子ですから実はフランクリンの定義は逆だったのですが、今でも電気工学においてはこのプラスとマイナスの定義が使われています。

送配電の仕組み


△柱上変圧器(写真左)と電柱と架空電線:
上段高圧、下段低圧(写真右)

発電所から工場や家庭に電気を運ぶのはどうやっているのか?発電所から50万ボルトの電圧で送り出されてから変電して27万5千ボルトすなわち275kVに落とし、背の高い高圧鉄塔の上に架けられた送電線で運ばれて、順次電圧を落としながら最終消費地へ配電されます。送電は電気抵抗によるロス(電流の2乗×電気抵抗値分の電力が熱エネルギーとして大気中に逃げて行ってしまう)を減らすために高電圧で送電されます。高電圧であれば電流が少なくなるためロスが少ないからです。

  • 超高圧変電所で154kVに落とされ、

  • 1次変電所で更に66kVに落とされます。154kVないし66kVが鉄道変電所や大工場に送られます。

  • 次に中間変電所で22kVになりこれも大工場などに送られます。

  • 更によく見る配電用変電所では6.6kVに落とされて電柱を通して中規模工場やビルディングなどの高圧受電設備を持つところに配電されたり、柱上変圧器から各家庭や事務所、小工場にAC100Vや200Vで配電されます。

配電用変電所より上流を「特別高圧」と言い、600V以下を「低圧」と言います。その中間が「高圧」です。家の周りで見られる配電線は、低圧では単相三線式三相三線式、高圧では三相三線式で、電柱を見上げて上段が高圧で、下段が低圧、いずれも三本ずつの架空電線が張られています。電柱から家庭の分電盤までは三線式ですが、家庭内では低圧の単相二線式で使われることが多いようです。しかし最近はIHクッキングやエアコンの普及で200Vも使われるようになってきて、家庭内でも三線式の配線が行われています。電気工作物の民間規程として『内線規程』というものが使われております。

電気抵抗とは

物質には電気が流れやすい物と流れにくい物があります。この違いは物質の体積抵抗率によるものです。

  物質 抵抗率(Ωcm)
金属 2×10-6
ニッケル 7×10-6
半導体 半導体 ゲルマニウム(不純物含む) 1
ゲルマニウム(純粋) 500
シリコン(純粋) 105
絶縁体 絶縁体 ガラス 1012
ダイヤモンド 1014
テフロン 1020

電気が流れやすい物を導体、流れにくい物を絶縁体と言います。電気が流れやすいということは電子が自由に走り回れるもの、逆に絶縁体は電子が自由に動き回れません。したがって摩擦などによって静電気が「帯電」してしまうわけです。
金属は全般に導体です。銅やアルミニウムなどは電線に使われるように電気抵抗が少ないものです。本当は金のほうがもっと良いのですが貴金属であり、世界中でもオリンピックプール何杯分とか言われるように量が少ないために使えません。ニッケルとクロムの合金であるニクロム線は10-4Ωcmの抵抗値ですがヒータに使われます。
半導体は絶縁体ほど流れにくくはないのですが、導体のようには流れやすくない中間の物質です。これに不純物を加えてn形半導体やp形半導体にすると、電気が流れやすくなったり流れにくくなったりするスイッチを作ることができます。

送配電の仕組み

クチアダキミアムハシ、何のことか分からないでしょう?これは電気回路、電子回路のプリント板に載っている抵抗器のカラーマークです。筒形の抵抗器に色の帯が並んでいて、これで抵抗値(単位はΩ:オーム)や誤差を表しています。

名称 灰色
数値 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 - -
乗数 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 101 102
誤差 - 1% 2% - - - - - - - 5% 10%

アース線の色

アース線の色は、国際規格IEC60227で緑/黄色のしま模様の線と決められています。日本では内線規定で緑色または緑/黄色のしま模様の線か、それ以外の線では緑色の標識を付けるように決められています。国内の家電製品も一般的に緑色のアースコードが多く使われていますが、海外輸出する産業製品では緑/黄色のストライプ線を使うほうが無難です。

絶縁抵抗の測定

機器の絶縁や屋内配線の絶縁状態を検査するのには絶縁抵抗計(メガーと呼ばれることあり)を用います。検査電圧はDC250V,500V,1000Vとなっています。絶縁抵抗を検査するときの電圧(マイナス)はピーク電圧以上の電圧で測定します。一般に100V機器ではDC500Vで測定します。
内線規定によると、低圧電路の絶縁抵抗値は対地電圧150V以下の電路では0.1MΩ以上、対地電圧150Vを超え使用電圧300V以下のものは0.2MΩ以上となっています。使用電圧300Vを超える電路は0.4MΩ以上となっています。

電気製品の絶縁抵抗を測定するには、その機器の交流電源を接続しない状態で電源スイッチを入りの状態にして電源プラグの二本の線をショートして絶縁抵抗計のE(アース側)に接続します。
絶縁抵抗計のL(高圧側)を機器のアースや人が触れる可能性のある外部金属部分に接続して電源間の絶縁抵抗を測定します。電源プラグ間で測定すると機器を壊すことがありますので注意してください。

機器の絶縁抵抗の測定にはDC250Vでも高過ぎることがあります。落雷や過電圧による機器の保護の為に、バリスタとかZNRと呼ばれる部品が機器のアースと交流電源の間に付いていると、これが導通してしまうことがあるからです。三基計装株式会社の温室複合環境制御装置には付いております。この部品の導通電圧は150Vのroot2=1.41倍以上に選定されている事が多く220~240Vの物がよく使われています。この場合にはAC100Vの機器ならDC150V~200Vで測定します。またSCRなどは絶縁抵抗の測定によって壊れてしまうことがあるので外して測定します。このようによく調べてから絶縁抵抗計を使わないと破壊試験になってしまいます。